基本理念 『一瞬一生 ~感謝を込めて~』

はじめに

「新日本の再建は私たち青年の仕事である」として日本の青年会議所運動を発足してから70余年、1966年5月18日に創立した宝塚青年会議所は過去様々な時代背景や、昨今の緊迫した世界情勢、困難な状況下においても先輩諸兄姉たちのたゆまぬ努力により地域社会や様々な分野で「明るい豊かな社会」の実現に寄与されてきました。
しかし、私が入会して以降、新型コロナウイルスとの共生を余儀なくされ対外的な活動にも制限が掛かり、私自身満足のいくJC生活を送ることができませんでした。そんな中、我々はまちにどれだけの影響を与え、還元することができているだろうか。我々がおこなっているこの活動は自分たちの自己満足に過ぎず、JCとしての可能性をまだまだ引き出せていないのではないかと疑問に感じることもあります。
我々、青年会議所の使命=ミッションはより良い変化をもたらすための発展と成長の機会を提供し、運動を起こすことです。
運動を起こし地域やまちの課題に取り組むこと、そして更にはその運動を自発的に稼働させ承継させていく団体です。その運動の輪が広がることで周りに伝播し、地域社会から真に必要とされなくてはならない団体になるのではないでしょうか。
その活動・運動を通してメンバー自身の素養や資質の向上、個々がリーダーシップを発揮できる組織として成長し、それが強固な基礎となり形成されたメンバー一人ひとりが太く大きな柱となることで宝塚青年会議所としての成長・発展につながると確信しております。そのためにも「参加するだけでなく、自ら参画していく」JAYCEEとして誰よりも率先して行動することが重要であり、多様な個性をもったメンバーがそれぞれの特性を活かし同じ目的のために知恵を出し合い議論すること。そして行動を起こしていくことがメンバーの成長につながり、ひいては宝塚青年会議所の明るい未来へとつながることが我々のまち「宝塚」に対して還元できるのではないでしょうか。
本年度、宝塚青年会議所は「一瞬一生 ~感謝を込めて~」をスローガンとして運動をさせていただきます。時間軸でみればこの一瞬の活動・運動がひとと地域を結ぶ一生となり次世代へと受け継がれ、我々が育ってきたこのまち「宝塚」に感謝を込め事業展開をおこなっていきます。自身が今まで育ててもらったまちに対する恩返しであり、この恩を第三者へと受け渡していくにペイフォワー
ド、恩送りの精神を忘れることなく邁進して参ります。また今まで紡いでこられた先輩諸兄姉のこの想いにも感謝し継承させ、創始の精神を忘れることなく尽力いたします。そしてなによりこのJC生活を送れる家族や周りの環境にも感謝を忘れることなく「明るい豊かな社会」の実現に少しでも寄与する、これこそが周りの愛するひとたちに対する一番の恩返しとなるのではないでしょうか。今このJAYCEEとして過ごせる40歳までのカウントダウンでどれだけのチャンスがあり、どれだけそのチャンスを掴むことのできるのか。考える前に自ら飛び込みチャレンジしていくことを忘れずその経験、一瞬を共にする仲間こそがかけがえのない一生の財産となるでしょう。チャレンジする時には確固たる信念を持ち、多くの方々に共感してもらえるように私たちのこの行動、メッセージがこの地域に届くように、そしてメンバーの情熱がまちに与えるインパクトとなり組織発展の源泉となること、その熱い想いを胸に58年目の大きな一歩を踏み出して参ります。

「感謝を込めたまちづくり」

私たちが暮らしているこのまち「宝塚」は北部の豊かな自然と多くの観光資源を有しています。この地域としての特性に恵まれた環境であり全国的にも知名度の高いまちでありながらそれを活かしきれておらず、人口減少や後継者不足、高齢化が加速するなど、まちとしての魅力が低下しているのではないかと未来に危惧の念を抱きます。
特に古くからからこのまちに根ざしている方と新たにこの地で生活はじめた方との新旧混在する昨今、近年における生活様式の変化でさらに希薄化が加速し、まちに対する愛着や愛郷心が薄れてきていることが前述の要因の一部ではないか思います。そんな時代だからこそ、我々、青年会議所はまちの魅力を発信し続け、先輩諸兄姉が今まで築いてこられた市民まつり「サマーフェスタ」を新たなカタチで復活させ市民の愛郷心を育み市民や他団体との協同、交流のきっかけづくりが必要ではないでしょうか。
我々がまちを動かす歯車として創出し、まちに新たな風を吹き込むことによって、更に還元することができる、それが我々、青年会議所の存在意義であると思います。
地域から愛されるまち、戻ってきたい魅力あるまち「宝塚」として発展させなければいけません。そのためにもまずはまちづくりに必要な地域社会を形成する我々、会員自身が地域社会の一員であること自覚すると共に市民への意識変革が必要であると捉え、自分たちのまちは自身が参画して創るのだという自覚をもって行動することが大切なことではないでしょうか。
またより良いまちづくりにおいて重要な防災、減災についても取り組まなければいけません。昨今、不安定な気象状況においてはまちだけの取り組みとはせず、更に最小単位での連携や市民同士、行政とのつながりを高めていく必要があります。
最後に、この我々を育ててくれたまちに感謝を込め活動・運動を拡大、展開していくことにより我々に共鳴した各種他団体と協同することでさらに活動の輪が大きくなり、地域社会から必要とされる愛される団体へと昇華すると信じて
おります。

「優れたリーダーを生み出すひとづくり」

青年会議所においてのひとづくりとは指導力開発、人間力開発を意味します。指導力開発とは民主的な指導力、集団の組織運営能力を指し、人間力開発は社会を構成する自立した一人の人間として強く生きる総合的な力をいいます。
我々、誰もがどこかの組織や集団に属しており一人で生きているのでは無く、他者との関わり合いを持ち生活しています。即ち、集団の中で生きており、その集団が機能するのは中心となる優れたリーダーが必要なのです。そしてその集団の機能が高いか否かはリーダーの質やメンバーの質に直結すると言っても過言ではありません。
その質を高めていくために、我々は「明るい豊かな社会」の実現の道筋を示し牽引するリーダーが存在しなければいけません。まずは青年会議所のメンバーとしての資質や素養を磨き輝けるリーダーを創出し、自らが地域から必要とされる青年経済人となるために自己研鑽に励んで参ります。
まちづくり、ひとづくりどちらか一方が達成すればよいのではなく、相互に深く関係しているといえます。ひとが学び、まちが育つことがこの宝塚の地域の存続、発展に寄与すると確信して本年度の運動を展開して参ります。

「青少年の明るい未来=まちの明るい未来」

近年、スマートフォンやSNSの普及により誰しもが多様な情報発信を受発信できる時代となる一方、特に未発達の拙い青少年においては他者とのコミュニケーション能力の低下や他者との関わり、仲間意識や地域との繋がりが希薄化し、現実的な将来の夢や希望が見えていないこどもたちもいるのではないでしょうか。
そのような子供たちの為に我々が青少年に対し多くの機会を提供することが子供たちのよりよい明るい未来を築くために必要であり、未来を担うリーダーの人財育成の一環として青少年を対象とした青少年セミナーを開催して参ります。
このまち「宝塚」で過ごした子供たちはまちの財産であり今後のまちの発展には必要不可欠な未来を担うかけがえのない存在です。その子供たちに対して同世代の仲間との触れ合い、助け合いを学び、団体行動や協調性を育む機会など日常では手に入れることのできないかけがえのない価値あるものを学び、経験するこの一瞬が子供たちの人格形成、成長過程において、ひいては人生において一生の起点となると確信しています。
また子供たちが学んでいく姿勢を肌で感じることで我々も同時に大きな成長へとつながり、共に汗をかき共に学ぶことからこそ見えてくるメンバー間の固い絆、明るい未来があるのではないでしょうか。

「盤石な会議運営・組織運営に向けて」

我々は組織、団体として活動するなかで厳格な会議運営、組織運営が必要不可欠であります。質の高い事業や会議運営を生み出すには「当たり前のことを当たり前におこなう」ということではないでしょうか。
それは他人の時間を奪わないことのように各提出期限を遵守し配信をすることからはじまり、組織、団体としての協調性と自身の社業に変換したときの意識改革を持つことでより良い会議運営につながると確信しております。近年の流れにおいてはリアルでの会議からリモートにおいてのWEB会議への変化などあらゆる時勢への多様な変化を取り入れ我々は柔軟に対応していく必要があります。
また今や無くてはならないSNSや従前の情報発信ツールなども使用することで我々が活動する内容を対外へと発信し、一人でも多くの方々に我々のメッセージが届くよう努めて参ります。
最後に盤石な組織とは会員同士が結束し合い、互いに尊重し合う中で会員一人ひとりが輝くことのできる組織基盤を形成すること。そうすれば我々の絆はより強固なものとなりそれは自ずと地域へと還元できるのではないでしょうか。

「魅力あふれる会員拡充」

ここ数年、我々、宝塚青年会議所の会員数は十数名を推移しております。少数精鋭という捉え方もありますが、やはり数は力となりと言われるように組織の重要な部分に人の力があります。
会員の減少は地盤の弱体化そのものであり5年後、10年後を想像すると会員数の減少に伴い、この宝塚青年会議所の存続も危ぶまれることが脳裏をよぎります。今まで先輩諸兄姉が紡いでこられたこの歴史を絶やさず存続させていくためにも会員拡充・会員の定着をサポートする体制を確立させることが重要であり今一度、会員全体での拡大意識の醸成も必要です。
この阪神7地域の青年会議所においても相互に理解を深め合い互いの絆、友情を深めることで共に志を同じくするものと切磋琢磨し、同じ時間を共有することで一生を共にするかけがえのない仲間になると確信しております。
また地域の振起を志している多くの同志が潜在している中で地域の対象者・人財発掘の情報を共有することでより活発化させ、我々の会員拡大を加速させて参ります。
そして何より、今いる会員一人ひとりがこの青年会議所の魅力を感じ、入会前の自身と比較し、成長を実感することが出来たらどうなるでしょうか。当事者である我々、魅力のある我々が自信をもって青年会議所の本質的な素晴らしさを話し伝えることこそが青年会議所の魅力を対外へと発信できる一番の広告といえるのではないでしょうか。

「最後に感謝を込めて」

この58年目という長きに渡る歴史を紡いでこられた先輩諸兄姉に感謝を込め本年度、諸先輩方に恥じぬよう粉骨砕身の精神で挑んで参ります。
また本年度の理事長として支えてくれている会員全員に敬意を表し、1年間
共に尽力していきましょう。なにより残されたこの40歳までというタイムリミットにどこのまでの成長をこの1年で掴み取ることができるのかはあなた次第です。せっかくやるのならば全身全霊を掛けともに挑んでいきましょう。そうすればその先にかけがえのないモノを手に入れることがきっとできるはずです。
最後に我々がこの宝塚において次世代へと繋ぐ輝く架け橋となるよう邁進し歩んで参ります。

第58代理事長 一嶌 真也