基本理念 『Break Through 〜自分自身の殻を突き破れ〜』

はじめに

2024年度、宝塚青年会議所は『Break Through 〜自分自身の殻を突き破れ〜』をスローガンとして運動してまいります。このスローガンに込める想いは、私自身がこの宝塚青年会議所の会員として感じてきたことが起因しております。そもそも青年会議所とは、「明るい豊かな社会」の実現に寄与する団体であり、地域のまちやひとに対しての運動を通して、自分自身も成長していくことのできる組織です。斯様な組織にも関わらず、入会間もない時の私は、本質を理解する事もせぬまま、青年会議所の活動を後回しに、必要最低限にしか関わらない状況でした。その後、役職や役割を任せられ、より積極的に参画する事で、成長スピードを早めることができました。また、先輩諸兄姉に紡いできていただいた歴史ある組織であるからこそ、ここでしかできない経験や役割を担うことができると確信しております。その為、自分のできることを探すのではなく、できるか分からないがやりたいことにチャレンジし続けることで、より成長の機会の最大化に繋がると信じており、斯様なスローガンを掲げることと決めました。

「住み続けたい魅力あるまちづくり」

我々が暮らす宝塚とは、全国的に知名度の高いまちであり、且つ豊かな自然や観光資源を持つ恵まれた環境を有しております。一方で、これらを活かしきれておらず、人口減少や少子高齢化の進行、宝塚で生まれ育った若者世代の転出超過など、まちとしての魅力が低下しているのではないか、と考えさせられます。
斯様な状況を招いている具体的な原因として、宝塚市民が宝塚の魅力を感じ切れていない事、市民間のコミュニケーションの機会がこれまでに比べて減ってしまっている事、が挙げられると考えております。我々宝塚青年会議所はまちの魅力を最大化し、発信し続けることが必要であると考えております。そのためにも昨年復活させることに成功した市民まつり「サマーフェスタ」をより良い形に昇華させることで、市民や他団体との協同が生まれ、市民の愛郷心を育むことができると信じております。
また、より良いまちづくりにおいて重要な防災、減災にも取り組む必要があると考えております。自然災害が多い国であるというだけでなく、昨今の異常気象にも対応すべく、まちだけに任せておかず、我々宝塚青年会議所としても地域と連携し、市民同士、行政とのつながりを強めていく必要があると確信しております。
最後に、この魅力ある宝塚というまちの更なる発展を目指し、我々会員一人ひとりが地域社会の一員であることを自覚するとともに、我々に共鳴し得る各種他団体や市民と協同することで活動の輪も広がり、より魅力あるまちとなることと確信しております。

「まちを先導するリーダーの育成」

我々の暮らす社会において、「明るい豊かな社会」の実現には常にリーダーという存在が大きく影響しております。誰しも一人で生きていくことはほぼ不可能であり、どこかの団体、集団に属し、他者との関わり合いを持ちながら生活しております。リーダーは個人ではなし得ない集団ならではの力を発揮するためのまとめ役として大きな役割を果たします。個の個性を理解し、その個性の集まった集団としての最大限の力を発揮するための監督役であり、つなぎ目であり、司令塔でもあります。その為に、まずは宝塚青年会議所会員としての能力や素養を磨き、自らの指導力、人間力開発に努め、まちから必要とされるとともに、自らがまちを先導できるリーダーとなるべく、成長の機会を提供いたします。
「明るい豊かな社会」の実現の為には、まちづくりだけを行ったら良い訳ではなく、それと同時にひとづくりも必要不可欠となってきます。これらを同時に行い、相互に関与することでより良い状態へと昇華されていくのではないでしょうか。ひとが学び、育ち、まちを作っていくことが将来の宝塚の発展の為に必ず必要になってくると確信しております。

「青少年の明るい未来の醸成」

新型コロナウイルス感染症という未曾有の厄災の影響で、青少年においても生活様式の変化を余儀なくされ、これまで経験、体験できていたこともできなくなってしまっている状況でございます。一方で、青少年の明るい未来の為には、その年代として経験し、体験することでしか得られぬ成長が必要不可欠であると考えております。
このまち宝塚で過ごした子供たちが、将来の宝塚を担っていくと言っても過言ではなく、まちの発展の為に必要不可欠な存在でございます。その子供たちに対しての育成の機会として、青少年セミナーを開催してまいります。同世代の仲間との交流を通して協調性を育み、日常で経験、体験できぬ機会を通して多種多様な価値観に触れることで、人格形成や成長過程において非常に重要なこのタイミングにおける個々の課題解決の一つの契機になることを確信しております。
また、子供たちが経験、体験し、学び、成長していく姿を肌で感じることで、我々宝塚青年会議所会員自身の大きな成長にも繋がることとなるでしょう。双方の成長が相乗効果を生み、互いの更なる成長が促されることで、その先に宝塚の明るい未来があると信じております。

「強固なる組織の実現」

我々宝塚青年会議所という団体が発展・成長していき、目標、目的を達成していくためには、組織力をより高めていく事が必要かつ急務である。そのためにもルールの徹底、会員の拡大、定着、に主眼を置き、運動、活動をしてまいります。
周りの方々の時間や機会を使っていることを一人ひとりが自覚することで、提出期日などを遵守することに繋がり、延いては団体、組織としての協調性が生まれるとともに、より良い会議運営が実現されると確信しております。時代の変化において、リアル開催からオンラインを活用した会議へ変化もありますが、斯様な変化を柔軟に取り入れ、より良い組織運営を行ってまいります。
また、これまで情報発信ソースはアナログによるものが主流ではありましたが、特にコロナ禍を経て、そのようなローカルメディアばかりでなく、様々な情報発信ソースが広く認知されるようになりました。それ故に、より多くの方に情報を届けるためには、年代、性別、属性、などのアプローチしたいターゲットを考えた上で、効果的な方々の目に留まる情報発信を考える必要性も感じております。そのため、今や当たり前のようにSNSを活用した情報発信も行われており、我々の活動・運動を周知し、魅力を伝えていくためにも積極的に取り入れていく必要があります。一人でも多くの方にメッセージを届け、賛同者・応援者を募るべく、これまでの主流であったローカルメディアと昨今台頭し主流になりつつあるSNSとを使い分けてまいります。今後の発展を考えた際に、一人でも多くの方を仲間に募り、定着することが、この組織に必要不可欠であることは想像に難くありません。会員一人ひとりが宝塚青年会議所に魅力を感じ、入会前と比し成長を感じることができたならば、その想いは自発的に対外に発信することにも繋がり、会員の拡大、定着に繋がるのではないでしょうか。
最後に、強固なる組織とは会員同士が尊敬、尊重し合い、支え合い、一枚岩となる状態でありながら、一人ひとりの個も輝く状態を指していると考えております。そのような組織を実現することで、我々宝塚青年会議所が更なる発展を遂げ、各メンバーの成長も促し、それらを通して地域への貢献と繋がっていくでしょう。

「来る創立60周年記念式典への足掛かり」

我々宝塚青年会議所は2025年度に創立60周年を迎える事となります。周年記念式典を行うことにより、これまで宝塚青年会議所の活動、運動を支えてくれているシニアクラブや関係団体に感謝を示すとともに、より強固な関係強化を図ることで今後の更なる支援をいただくことが実現できます。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、我々の活動、運動を支えてくれているシニアクラブ、関係団体、関係者との関係も希薄化してしまったと言わざるを得ない状況でもあります。また、入会からの歴が浅い会員も増加している状況であり、今後の発展のためにも更なる拡大を目指している状況でもございます。斯様な状況下、これまで先輩諸兄姉が紡ぎ上げてきたこの宝塚青年会議所の更なる発展、飛躍のためにも、2024年度、2025年度と成長を続けていかねばならないと感じております。そのため、シニアクラブを始めとする多くの関係団体や関係者とコロナ禍以前を超えるような強固な関係を構築すべく、接点を増やしていきたいと考えております。先輩諸兄姉、各種関係者、との更なる関係強化が、我々宝塚青年会議所の一層の飛躍、成長には必要不可欠であると確信しており、こちらにも取り組んでまいります。
また、来る創立60周年記念式典をより効果的に、宝塚青年会議所のより飛躍に繋がるようにするためにも、これまで以上に準備にも時間を割いていきたいと考えております。我々の一番の理解者である方々をお招きする大変貴重な式典であることを自覚し、より一層この団体に魅力を感じていただけるような時間を作り上げていくための準備をしていきます。
それと同時に、我々宝塚青年会議所会員のより一層の団結力も必要になってくると考えます。我々は居住地がバラバラであり、多種多様な業種、職種のメンバーが集まり、それぞれが色々な経験や知見、そして人脈を持ち合わせた会員で組織されております。そのようなメンバーが宝塚青年会議所の想いに賛同し、こうして集まっていることに強みを感じております。斯様な団体だからこそ、今までの宝塚にない、より魅力的な部分を客観的に発掘、想像、創造できるのではないか、と考えております。
先輩諸兄姉が紡いできた伝統を踏襲するとともに、今まで以上に一致団結した我々宝塚青年会議所だからこその新しい価値を見出し、成長、進化した姿で創立60周年という節目を迎えるための飛躍の一年にしてまいります。

「おわりに」

この59年目という長きに渡る歴史を紡いでいくと同時に、先輩諸兄姉の記憶にも残るような素晴らしき一年にすべく、粉骨砕身の精神で走り抜けてまいります。
本年度の理事長として支えてくれる会員全員に感謝と敬意を持つと共に、会員一人ひとりが自分で決めてしまっている限界を少しでも超えていき、一年間一緒に駆け抜けて行くことを期待しております。どのような方でも平等に持っている時間ですので、この一年を最大限有意義に過ごしていただくためにも、全身全霊を掛け、本気で向き合っていける環境を作ってまいります。その先にはきっと今では想像できないような素晴らしき世界が、成長が待っているはずです。
改めまして、最後になりますが、我々がこの宝塚において、自他共に認める素晴らしき組織になることを信じて、私自身も自分の殻を突き破り、更なる成長をこのまちに還元すべく一所懸命邁進してまいります。

第59代理事長 藤田 泰聖