基本理念 『以和為貴 ~協調が生み出す豊かな未来を目指して~』

はじめに

古くから日本人は以和為貴(わをもってとうとしとなす)という教えを大切にし、お互いに協調することで豊かな社会を築いてきました。

協調とはお互いが納得するまで話し合い調和していこうとすること、同調とはただ体裁だけを取り繕って他に調子を合わせることです。

私たちの先人は、戦火によって国全体が荒廃した際にも、バブル崩壊に端を発した長く続く不況の下においても協調によって豊かさを創り出し、歴史を紡いで来ました。

しかし、近年では周囲に同調することや周囲を同調させることが正しい社会であるという風潮が強くなり、多くの人が他人に取り繕って生活をしています。

そんな中、発生した新型コロナウィルス感染症のパンデミックという未曾有の大災害により世界でも日本でも、そして私たちのまち、宝塚においても社会のあらゆる場面で同調圧力による分断が広がっています。

この分断されつつある社会をつなぎ止め、協調により豊かな未来に歩みを進めることこそ、まさに私たち青年会議所に求められていることではないでしょうか。

戦後、先輩諸兄が「新日本の再建は我々青年の責務である」という大きな志を持って立ち上がり、日本が世界有数の経済大国となる過程において、その一端を運動によって支えてきたように、大きな時代の変化の中で、誰よりも先に立つリーダーとして、社会と協調することで豊かな未来を創り出し、それを紡いでいくことが私たち「JAYCEE」であると信じています。

多くの人が未来に不安を持つ世の中だからこそ、私たち宝塚青年会議所が宝塚の豊かな未来を創り、紡いでいく。その想いを持って本年度も青年会議所運動に邁進して参ります。

 

若い力で地域社会をリードする存在に

近年、日本の多くの地方自治体で若者の地域社会への参画が減少し、地域活動の多くを高齢者が担うという状況が続いています。それは私たちのまち宝塚も例外ではなく、世代間の価値観や考え方の違いによる溝がなかなか埋まらず、若者の参画は進んでいません。

少子高齢化、人口減少による担い手不足が地域社会の大きな課題とされている今こそ各世代が協調し、若者の価値観や考え方を取り入れた持続可能な地域社会を確立しなくてはならないと私は考えています。

本年度の宝塚青年会議所では、私たちが若者の地域活動参画の急先鋒として積極的に地域とつながりを持ち、若い力で地域をリードする運動を推し進めて参ります。

 

新しい防災で災害に強いまちづくりを

私たちのまち宝塚は幸いにも1995年に発生した阪神淡路大震災から27年の長きにわたり大きな災害に見舞われておりません。大きな災害がないのは良いことですが、それが防災意識の薄れや災害時に必要となる知識の遅れとなってはいけません。

宝塚には過去に被災した経験やその時に得た教訓という防災に対する大きな財産があります。そこに新しい知識や技術を取り入れた「新しい防災」を確立することで、本当の意味で災害に強い宝塚をつくることができると私は考えています。

本年度の宝塚青年会議所では、まずは私たちが新しい防災知識や過去の教訓を学び実践する機会を持ち、市民や企業、地域の団体を巻き込んでいく運動を起こすことで、災害に強いまちづくりを推し進めて参ります。

 

小さな活動からまちの活性化を

私たちの住むまち宝塚は北部には自然あふれる農業地域、南部には宝塚大劇場をはじめとする観光地域や寺社仏閣、下町情緒あふれる駅前商店街など様々な資源を持つ多様性に満ちたまちです。

その多様性ゆえに宝塚の活性化には、一度の大きな活動でまち全体に活力を与えるという方法だけではなく、地域に根差した小さな活動からでも、まち全体を巻き込んだ大きな運動につなげていくことができる仕組みをつくることが必要であると私は考えています。

本年度の宝塚青年会議所では地域と協調した小さな活動から市全体を巻き込んだ大きな運動に繋げる仕組みづくりを推し進めて参ります。

 

青年経済人として社会を豊かにするリーダーに

社会を豊かにするための運動を起こすリーダーは経済人としても社会をリードしていく存在でなくてはなりません。経済的な豊かさは自身だけでなく家族や大切な人も豊かにし、精神的な豊かさに繋がります。この精神的な豊かさがあるからこそ、明るい豊かな社会に向けて運動を起こすリーダーたることができると私は考えています。

本年度の宝塚青年会議所では、青年経済人としての能力開発を積極的に実施し、社業においても社会をリードしていけるメンバーの育成を推し進めて参ります。

 

社会の未来を担うニューリーダーの育成を

私たちの暮らす社会はいつの時代も刻一刻と変化しています。持続可能な社会を作るには、その変化に対応できるリーダーを生み出すと同時にニューリーダーの育成に力を注ぎ、社会の未来を担うリーダーも生み出し続けなくてはなりません。

本年度の宝塚青年会議所では次世代のリーダーたる青少年を育成するため、またメンバーも青少年から新たな価値観を学ぶことで、それを取り入れた変化に対応できるリーダーとしての資質を磨いていくために青少年育成事業を行って参ります。

 

「メンバーファースト」の組織づくり

組織が同じ目的を持って共に歩むためにはメンバー一人ひとりが自らの大切なものを犠牲にして組織のために尽くすのではなく、自らのため、大切なもののために活動していかなくてはなりません。皆が自らのため、大切なもののために活動できる組織は自己犠牲の上に成り立っている組織とは比較にならない大きな力を生み出すことができると私は信じています。

青年会議所には行動規範として「修練」「奉仕」「友情」という三信条があります。

メンバー一人ひとりが夢や目標を持てる組織にします。目標を持って修練を行えば、必ずその先に自己実現があります。

メンバー一人ひとりが自分の豊かさのために活動できる組織にします。豊かな人こそ社会に奉仕し、豊かさを分け与えることで人々を幸せにしていくことができます。

メンバー一人ひとりがお互いに信頼関係を持って活動できる組織にします。友情を持って、本音で議論することで生まれる力は必ず社会へ、そして世界に伝わります。

本年度の宝塚青年会議所は、この「メンバーファースト」の想いを大切にし、社会に運動を起こす大きな力を生み出せる組織を目指します。

 

地域で活躍する青年たちを同志として迎え入れる

私たち宝塚青年会議所が地域で運動の起点となり続けるためには一人でも多くの同志と共に将来にわたって活動を継続できる組織とならなくてはなりません。

宝塚市内や近隣の地域には社会のために志を持って、様々な活動を行っている青年が多く存在しています。

本年度の宝塚青年会議所では、地域活動に積極的に参画し、そこで活躍する青年たちと交流を図ることによって共感を得て、多くの同志を組織に迎え入れることを目指して参ります。

 

おわりに

本年度の宝塚青年会議所の基本理念は以和為貴(わをもってとうとしとなす)です。

これは聖徳太子が制定した十七条憲法の第一条に登場する言葉としてよく知られているものです。この言葉は「人々が協調することが重要である」という意味を持っています。そして協調とは「争うことなく、納得するまで話し合い調和をもたらす」ことです。

これは、まさに青年会議所に求められている活動・運動そのものであると私は考えています。

本年度、私たち宝塚青年会議所は人と社会と協調し、宝塚に豊かな未来をもたらす組織となれるよう活動・運動に邁進していく所存です。

第57代理事長 石井宏尚